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2026.07.21
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旅費交通費を反映した請求書のつくり方|マネーフォワード・freeeユーザー必見


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この記事で分かること(結論から)

旅費交通費だけ消費税区分を「非課税」にしていませんか?――その請求書、実は間違っているかもしれません。マネーフォワード クラウド請求書・freee請求書で旅費交通費を請求する際、次の3点だけ押さえておけば混乱は防げます。

  1. 請求書全体を「内税」表記に統一していれば、そもそもこの問題は起きません。
  2. 通常の営業活動は「外税」、旅費交通費だけ実費で「内税」的に請求したい場合、1枚の請求書の中で処理することはできません。請求書を「外税用」と「内税用」の2枚に分けるのが唯一の現実的な対応です。
  3. 経費の領収書を元請け・取引先に渡したうえで実費精算(いわゆる立替金)として請求する場合は、消費税区分は「非課税」ではなく「不課税」を選びます。

以下、なぜこの整理になるのか、順を追って説明します。

※本記事はマネーフォワード クラウド請求書を例に解説していますが、freee請求書でも消費税の表示方式(外税・内税)は同じ考え方で一括設定する仕様のため、基本的な結論は共通です(後述)。


こんな請求書、作っていませんか

  • 通常の業務(コンサルティング料・制作費など)は消費税10%を「外税」で請求している
  • 旅費交通費だけは、電車代や新幹線代の実費をそのまま数字で載せたいので「内税」的な感覚で入力している
  • その結果、旅費交通費の行の税率区分を「非課税」に設定してしまっている

これは非常によくある入力ミスです。旅費交通費の行を単に「消費税を上乗せしたくない」という理由だけで「非課税」にしてしまうと、請求書としても消費税の計算上も正しくない状態になります。


マネーフォワード クラウド請求書の明細行では、税率区分として「非課税」と「不課税」が別の選択肢として並んでいます。両者は似た言葉ですが、意味はまったく異なります(画像内の振込先口座情報は掲載にあたり黒塗りしています)。


そもそも「消費税区分」とは何か

マネーフォワード クラウド請求書の明細行では、行ごとに次のような税率区分を選択できます。

区分意味該当する例
課税(10%・8%軽減税率など)消費税の課税対象取引通常の商品・サービスの提供
不課税そもそも消費税の課税対象外の取引立替金の精算、対価性のない金銭のやり取り
非課税課税対象ではあるが、政策的に消費税を課さない取引土地の譲渡、利子、一定の医療・介護サービスなど
免税課税対象だが税率0%となる取引輸出取引など

ここで重要なのは、「非課税」と「不課税」はまったく別の概念だという点です。

  • 非課税:消費税法で個別に列挙された、限定的な取引にのみ適用されます。旅費交通費の立替は、この非課税取引のリストには含まれていません。
  • 不課税:「対価を得て行う資産の譲渡・貸付け・役務の提供」という消費税の課税対象そのものに該当しない取引です。単なる金銭の立替・預り金の精算はここに該当します。

つまり、旅費交通費を実費で右から左に精算しているだけであれば、本来選ぶべき区分は「不課税」であり、「非課税」ではありません。この区分を誤ると、請求書としての体裁が不自然になるだけでなく、双方の会計処理・仕訳連動にも影響が出る可能性があります。

「不課税(立替金)」処理には、守るべき2つの条件がある

ただし、「不課税」区分にすればそれで済む、というものでもありません。立替金として不課税処理を行うには、次の2条件を満たしている必要があります。

条件1:請求額と実費の金額が完全に一致していること

立替金は「右から左に流すだけの、対価性のないお金の動き」であることが前提です。そのため、請求する金額と実際に支払った旅費(領収書の合計額)との間に、1円の差異もあってはなりません。手数料や調整額を上乗せしていたり、逆に一部だけ請求していたりする場合、それはもはや純粋な立替とは言えず、対価性のある取引(課税取引)とみなされる可能性があります。

条件2:自社で経費計上したものを、そのまま不課税の立替として請求することはできない

自社の帳簿上で旅費交通費を「自社の経費」として費用処理している場合、その分を先方に請求する金額は、自社にとっての売上として計上する必要があります。「自社の費用として経費計上しつつ、請求分は不課税の立替金として売上に計上しない」という処理は整合しません。

  • 自社の経費にしない(単なる預り金・立替金として処理する)→ 請求区分は「不課税」
  • 自社の経費として計上する → 請求分は対価性のある取引として「売上(課税)」に計上する

どちらの経理方針を採るかによって、請求書上の消費税区分だけでなく、自社の仕訳そのものが変わってきます。あらかじめどちらの方針で処理するかを決めたうえで、請求書の区分と自社の会計処理を一致させることが重要です。


なぜ「1枚の請求書に外税と内税を混在」させられないのか

マネーフォワード クラウド請求書は、消費税の表示方式(外税/内税)を請求書単位(詳細設定)で一括設定する仕様です。明細行ごとに税率区分(課税・不課税・非課税・免税など)は選べても、「この行だけ内税表示、この行だけ外税表示」という表示方式そのものの混在はできません。

したがって、

  • 通常業務:外税で消費税10%を上乗せして請求したい
  • 旅費交通費:実費相当額をそのまま内税感覚で請求したい

という2つの希望を同時に満たすには、次のいずれかの対応が必要になります。

対応1:請求書全体を「内税」表記に統一する

通常業務の請求額も含めて、すべて税込金額で表示する方式です。もっともシンプルですが、単価・金額の表示が税込ベースになるため、既存の見積書や契約上の表示(税抜金額ベースの契約など)と整合するか、事前に確認が必要です。

対応2:請求書を「外税用」と「内税用」の2枚に分ける

  • 請求書A(外税):通常の営業活動分。消費税10%を外税で計算・表示。
  • 請求書B(内税/実費精算):旅費交通費の実費分のみ。税込金額をそのまま記載し、消費税区分は取引の実態に応じて「課税(内税)」または「不課税」を選択。

現状のシステム仕様を前提とする限り、外税と内税の考え方を1枚の請求書内で両立させたい場合は、実務上これが最も無理のない方法です。


「詳細設定」タブの仕訳連動設定にある「消費税の表示方式」。この設定は請求書単位(帳票単位)で切り替える仕様のため、1枚の請求書の中で行ごとに外税・内税を混在させることはできません。

対応3:立替金として実費精算する場合は「不課税」区分を使う

先方(元請け等)に経費の領収書そのものを渡し、単なる立替金の精算として旅費交通費を請求するケースでは、そもそも「対価性のある取引」ではないため、消費税区分は「不課税」を選択します。この場合、内税か外税かという議論自体が発生しません(消費税額を上乗せしない実費そのままの請求になります)。


パターン別の整理表

状況消費税区分の考え方
通常業務は外税、旅費も自社サービスの一部として課税対象で請求したい請求書を分けるか、全体を内税表記に統一。区分は「課税」
旅費の領収書原本を先方に渡し、実費を立替金として精算したい区分は「不課税」(消費税の対象外)
「非課税」区分を使っている誤りである可能性が高い。旅費交通費の立替は非課税取引の列挙項目に該当しないため、原則として不課税で処理する

参考:freeeでも仕組みは同じです

会計・請求書ソフトを変えれば解決する、という話ではありません。freee請求書でも、消費税の表示方式(税抜表示=外税/税込表示=内税)は請求書単位に一括設定する仕様になっており、行ごとに外税・内税を混在させることはできません。


freeeの「請求書の新規作成」画面。明細の税率欄はここで選びますが、外税・内税の表示方式は明細欄上部の「課税・表示設定」から変更する仕様です。


「課税・表示設定」を開くと表示される詳細設定画面。消費税の表示方式はマネーフォワードと同様に請求書単位の設定であり、行ごとの外税・内税の混在はできません。

なお、freeeの明細行の税率欄は10%・8%(軽減税率)・8%・0%という税率の選択が中心で、マネーフォワードのように「非課税」「不課税」「免税」が同じプルダウンに明示されているわけではありません。取引区分(非課税・不課税など)の設定方法は、品目や勘定科目の設定によって異なる場合があるため、詳細はfreeeのヘルプページ、または顧問税理士にご確認ください。

したがって、本記事で解説した

  • 請求書全体を内税表記に統一する
  • 請求書を外税用・内税用の2枚に分ける
  • 実費立替の場合は不課税区分を使う

という対応の考え方は、freeeをお使いの場合にもそのまま当てはまります。クラウド請求書サービス全般に共通する仕様上の制約と理解しておくとよいでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q. 旅費交通費の消費税区分を「非課税」にしてはいけないのですか?
A. 旅費交通費の実費立替は、消費税法が定める非課税取引(土地の譲渡、利子など限定列挙されたもの)には該当しません。実費精算であれば「不課税」を選択するのが原則です。「非課税」を選ぶと、取引実態と請求書上の区分が一致しない状態になります。

Q. 通常業務は外税、旅費だけ内税にしたいのですが、1枚の請求書で対応できますか?
A. マネーフォワード クラウド請求書は、外税・内税の表示方式を請求書単位で設定する仕様のため、1枚の中で行ごとに表示方式そのものを切り替えることはできません。請求書を外税用・内税用の2枚に分けるか、全体を内税表記に統一する必要があります。

Q. 内税と外税、どちらか一方に統一すればこの問題自体を避けられますか?
A. その通りです。請求書全体を内税表記で統一していれば、旅費交通費の区分だけを別扱いする必要がなくなり、今回のような混乱は生じません。契約や見積書との整合性を踏まえたうえで、内税・外税のどちらかに揃えることを検討する価値はあります。

Q. 立替金(不課税)として請求すれば、金額はいくらでも自由に設定できますか?
A. いいえ。不課税処理が認められるのは、あくまで「対価性のない、実費の受け渡し」である場合に限られます。請求額と実際に支払った旅費(領収書合計額)は、1円単位まで一致している必要があります。また、自社の帳簿で当該旅費交通費を自社の経費として計上している場合、その分の請求額は自社の売上として計上する必要があり、経費計上と不課税の立替処理を同時に行うことはできません。どちらの経理方針を採るかを先に決め、請求書の区分と社内の会計処理を一致させてください。

Q. 立替金として請求する場合、インボイス(適格請求書)の記載はどうなりますか?
A. 対価性のない単なる立替金の精算は課税資産の譲渡等に該当しないため、原則としてインボイスの記載事項(適用税率・税率ごとの消費税額等)を満たす必要はありません。ただし実務上は、立替金精算書の添付や、内訳が分かる資料を残しておくことが望ましいとされています。個別の取引によって扱いが変わる場合があるため、判断に迷う際は必ず顧問税理士にご確認ください。

Q. マネーフォワードではなくfreeeを使っていますが、同じ対応でよいですか?
A. はい。freee請求書も、消費税の表示方式(外税・内税)は請求書単位で一括設定する仕様であり、行ごとに混在させることはできません。本記事で解説した「内税表記に統一する」「請求書を2枚に分ける」「実費立替は不課税区分にする」という考え方は、freeeでもそのまま当てはまります。


まとめ

  • 旅費交通費だけを「非課税」区分にするのは、多くの場合、正しい消費税区分ではありません。
  • 対価性のない実費立替であれば「不課税」区分が原則です。
  • 通常業務(外税)と旅費交通費(内税感覚)を両立させたい場合、1枚の請求書内では対応できないため、請求書を2枚に分けるか、請求書全体を内税表記に統一する必要があります。

請求書の作り方ひとつで、消費税の計算や会計仕訳、インボイス対応の可否が変わってきます。ご自身の取引の実態(対価性の有無、契約内容、インボイス登録の要否など)によって最適な処理は異なりますので、判断に迷う場合は個別にご相談ください。


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※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の取引への適用にあたっては、契約内容や取引実態を踏まえたうえで、専門家にご確認ください。