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2026.06.29
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子ども・子育て支援金とfreee会計の設定|給与取引の登録ルールで品目が分類されているか確認しよう

freee会計の「給与取引の登録ルール」で、子ども・子育て支援金の品目設定を確認する

「freee会計とfreee人事労務を連携しているが、健康保険料や厚生年金保険料はちゃんと品目が入っているのに、子ども・子育て支援金だけ品目が空欄になっている…」
「会計ソフトを変えたら、社会保険料の仕訳の仕方が以前と変わっていて戸惑った…」

2026年4月の制度開始にあわせて、freee会計で子ども・子育て支援金の品目設定を確認された方もいらっしゃるのではないでしょうか。あわせて知っておきたいのが、社会保険料の控除には簿記の教科書どおりの「預り金方式」と、実務でよく使われる「法定福利費一括方式」という2つの処理方法があり、利用している会計ソフトによって標準的な仕訳のされ方が異なるという点です。freeeは預り金方式で自動仕訳される仕様になっており、これが品目設定の確認が必要になる背景でもあります。

本記事では、freee会計での子ども・子育て支援金の品目設定の確認方法を中心に、その背景にある2つの仕訳方式の違いも整理して解説します。


子ども・子育て支援金とは

子ども・子育て支援金は、2026年4月から始まった新しい制度です。健康保険料に上乗せする形で徴収され、従業員負担分と会社負担分を労使で折半します。2026年度の支援金率は0.23%で、標準報酬月額にこの率を掛けた金額の半分が従業員負担分、残りの半分が会社負担分となります。賞与についても、標準賞与額に同じ率を掛けて算出します。

社会保険料を翌月徴収としている会社では、2026年4月分の支援金から徴収が始まるため、実際に給与から天引きされるのは2026年5月支給分からというケースが多くなります。当月徴収の会社では、2026年4月支給分から天引きが始まります。

なお、以前からある「子ども・子育て拠出金」とは別の制度です。子ども・子育て拠出金は厚生年金保険料とあわせて会社が全額負担する制度で、従業員の給与から天引きされることはありません。一方、今回の子ども・子育て支援金は健康保険料とあわせて徴収され、会社と従業員が折半して負担する点が異なります。名称が似ているため、給与計算や仕訳の場面で混同しないよう注意が必要です。


freee会計「給与取引の登録ルール」で確認したいポイント

freee人事労務とfreee会計を連携している場合、給与の仕訳に使う勘定科目・品目は、freee会計側の「設定」→「入力効率化」→「給与取引の登録ルール(給与・会計連携の設定)」で確認・設定します。ここで各保険料・税金の項目ごとに、勘定科目と品目を個別に登録できます。

健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料といった以前からある項目は、もとから勘定科目・品目が設定されていることが多く、総勘定元帳や品目別の集計でそれぞれを個別に確認できます。一方、子ども・子育て支援金は2026年4月に新設された項目のため、会社によっては品目が空欄のままになっている、というケースが見られます。空欄でも仕訳の計上自体に問題はありませんが、品目で分類されていないと、後から支援金分だけを抽出して確認したい場合に手間がかかります。

実際の画面で、正しく設定されている状態と、未設定のままになっている状態を見比べてみましょう。

正しく設定されている状態:給与取引の登録ルールの「控除項目」で、子ども・子育て支援金(従業員負担分)に、勘定科目「預り金」・品目「子育て支援金(預り分)」が設定されている。健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・源泉所得税・住民税と並んで、支援金にも品目が入っていることが分かる。

会社負担分も同様に、「会社負担分項目」で、勘定科目「法定福利費」・品目「子育て支援金(事業主負担分)」が設定されている状態。なお、隣接する「子ども・子育て拠出金」は別制度であり、品目の設定有無は会社ごとの運用による。

一方、次のように品目欄が空欄のままになっているケースもあります。

未設定の状態:「子ども・子育て支援金(従業員負担分)」の品目欄が空欄。他の項目には品目が入っているため、見比べるとこの項目だけ未設定になっていることが分かる。

このように品目が空欄のままになっていても、給与計算・会計連携そのものは問題なく行われ、従業員負担分は預り金として、会社負担分は法定福利費として、それぞれ正しい勘定科目で計上されます。ただし品目による分類がされていないため、総勘定元帳や品目別の集計を見たときに、支援金が他の社会保険料と混在した状態になります。

分類しておきたい場合は、freee会計の「設定」→「入力効率化」→「給与取引の登録ルール」から、次の考え方で設定します。

  • 従業員負担分 → 勘定科目「預り金」、品目は「子育て支援金(預り分)」など、他の社会保険料の預り金品目と区別できる名称
  • 会社負担分 → 勘定科目「法定福利費」、品目は「子育て支援金(事業主負担分)」など

健康保険料や厚生年金保険料の品目設定をそのまま参考にしながら、同じ考え方で支援金の品目を設定すると分かりやすくなります。

なお、今回の確認はあくまで会計処理・仕訳上の分類についてのご説明です。給与計算そのものの設定や、社会保険の取扱いに関する詳細なご相談については、社会保険労務士または年金事務所への確認をおすすめします。


なぜfreeeは「預り金」で自動仕訳されるのか|社会保険料の2つの処理方法

ここで、freeeがなぜ預り金という勘定科目を使って自動仕訳する仕様になっているのか、その背景を整理しておきます。健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料などは、会社が一旦立て替えて納付し、従業員負担分は給与から控除しますが、この処理には大きく2つの考え方があります。

方式1:預り金方式(簿記上の原則的な処理)

給与から控除した従業員負担分を「預り金」として一旦会社が預かり、会社負担分は「法定福利費」として計上します。実際に保険料を納付した際には、預り金(従業員負担分)と法定福利費(会社負担分)の両方を取り崩して支払う、という「両建て」の処理になります。

  • 控除時:給与/預り金・現金預金
  • 納付時:預り金・法定福利費/現金預金

(給与の仕訳は、説明を分かりやすくするため簡略化して記載しています。実際には基本給・諸手当・他の保険料・源泉所得税などもあわせて計上されます。)

日商簿記検定などで学ぶのもこの方式で、預り金の残高は「まだ納付していない、預かっているお金」を正確に表すという点で、簿記理論としては筋が通っています。freeeは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て支援金といった社会保険料について、この預り金方式で自動仕訳される仕様になっています。

方式2:法定福利費一括方式(実務上の簡便的な処理)

控除する時点から、従業員負担分も含めて全額を「法定福利費」として処理し、預り金は使いません。

  • 控除時:給与/法定福利費・現金預金
  • 納付時:法定福利費/現金預金(実際の支払額と、控除済みの従業員負担分との差額が、この時点で法定福利費としてあらためて経費計上される)

(ここでも給与の仕訳は簡略化して記載しています。)

預り金という勘定科目を使わない分、補助科目での残高管理や、納付額との照合といった手間が省けます。税理士事務所がクライアントの自計化をサポートする中で、この簡便的な処理を採用しているケースが多く見られ、マネーフォワード クラウド会計や弥生会計ではこうした仕訳処理が可能です。

どちらが「正しい」のか

簿記理論としては、預かっているお金を負債として区別する預り金方式が原則的な処理です。ただ、法定福利費一括方式も、最終的に納付した時点で会社負担分が正しく経費計上されるため、決算上の費用・利益への影響はありません。

税理士の立場から見ると、預り金方式は「いつ・いくら預かっていて、いつ・いくら納付したか」が補助科目単位で追跡しやすく、税務調査の際の説明可能性も高い処理です。一方で、複数の保険料・税金を扱う中で預り金の補助科目管理が煩雑になりやすく、月次でのズレの原因調査に時間がかかる、という実務上のデメリットもあります。法定福利費一括方式は、この管理の煩雑さを避けるための簡便的な処理と位置づけられます。

どちらの方式を採用するかは、会社の規模や経理体制、利用している会計ソフトの標準仕様に応じて選択することになります。ただし、一度採用した方式は継続して使うことが望ましく、年度の途中で方式を変えると過去の処理との整合性が取りづらくなる点には注意が必要です。


マネーフォワード会計・弥生会計をご利用の場合

マネーフォワード クラウド会計や弥生会計を利用している場合、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料などと同様に、子ども・子育て支援金についても従業員負担分・会社負担分の両方を法定福利費として一括処理する方式(方式2)での仕訳が可能です。税理士事務所がクライアントの自計化を見る現場では、預り金の補助科目管理の煩雑さを避けるため、この方式を採用しているケースが多く見られます。

この場合、給与から控除する時点では預り金を使わず、控除額も含めて法定福利費として処理します(給与/法定福利費・現金預金)。実際に支援金を納付した際には、納付額をいったん法定福利費として計上します(法定福利費/現金預金)。控除時にすでに法定福利費としてマイナス計上されている従業員負担分と、この納付時の法定福利費とを合わせると、最終的に会社負担分のみが費用として残る形になります。

freeeから他の会計ソフトに移行した場合や、逆に他のソフトからfreeeに移行した場合には、社会保険料の仕訳方式そのものが変わる可能性があるため、移行時には預り金・法定福利費どちらの方式で運用されているかを確認しておくことをおすすめします。


それでも設定や仕訳方式に迷う場合は当事務所にご相談ください

「品目の分類をどう整えればいいか、自社の設定が合っているか分からない」
「freeeやマネーフォワードでの給与計算から会計連携までの設定を見てほしい」
「自社の会計ソフトがどちらの仕訳方式で処理しているのか分からない」

このようなお悩みがあれば、ぜひ一度当事務所にご相談ください。給与計算ソフトと会計ソフトの連携設定を含めた自計化の状況を拝見し、会計処理・税務の観点から確認・ご支援いたします。

なお、給与計算ソフトの設定や社会保険の取扱いに関する詳細なご相談については、社会保険労務士または年金事務所への確認が必要な場合があります。