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【税理士解説】クラウド会計ならAmazonビジネス一択!経理が劇的に楽になる5つの理由|クラウド会計編7
「ネット通販の領収書がバラバラで管理が大変…」 「個人の買い物と事業の経費がAmazonアカウントで混ざって面倒…」 「インボイス制度の対応、これで合ってるか不安…」
クラウド会計ソフトを導入して経理の効率化を目指すなら、実は**「どこで備品を買うか」という仕入れ先の選択**が非常に重要です。
特に、多くの事業者が利用するネット通販。もしあなたが上記のような悩みを抱えているなら、その解決策は「Amazonビジネス」とクラウド会計の連携にあります。
この記事では、なぜクラウド会計ユーザーにとってAmazonビジネスが最適なのか、その具体的な5つの理由と、導入する上での注意点を分かりやすく解説します。
なぜ普通のAmazonではダメなのか?まずやるべき「アカウントの使い分け」
大前提として、事業用の買い物はプライベート用のアカウントと明確に分けるべきです。
個人のAmazonアカウントを事業経費の支払いに使っていると、
- 家族の買い物など、私的な支出が混ざり帳簿が混乱する
- インボイス制度に対応した領収書(適格請求書)が発行されない場合がある
- 税務調査の際に、経費としての正当性を説明しにくい
といったリスクが生じます。
「プライベート用は通常のAmazon、事業用はAmazonビジネス」と使い分ける。これが経理をシンプルにし、税務リスクを減らすための第一歩です。
Amazonビジネスで経理が劇的に楽になる5つの理由
では、なぜ「Amazonビジネス」がこれほどまでにクラウド会計と相性が良いのでしょうか。主な理由は5つあります。
理由1:インボイス対応の領収書が自動で保存される
Amazonビジネスでは、インボイス制度に対応した領収書(適格請求書発行事業者の登録番号が記載されたもの)が取引ごとに自動で発行・保存されます。自分で領収書を探したり、PDFをダウンロードして保存したりする手間が一切なくなります。
理由2:クラウド会計と連携し、仕訳入力の手間がほぼゼロに
freee会計、マネーフォワード クラウド、弥生会計などの主要なクラウド会計ソフトと連携させれば、Amazonビジネスでの購入履歴が自動で取り込まれます。手入力が不要になるため、入力ミスや計上漏れを防ぎ、経理の時間を大幅に削減できます。
理由3:消費税の判断が簡単で、正確性が向上する
連携されたデータには、取引先名や登録番号、適用税率(10%または8%)などの情報が正確に反映されます。これにより、消費税の課税・非課税などの判断が非常にしやすくなり、帳簿の信頼性が向上します。
理由4:楽天市場との比較で分かる「手間の少なさ」
楽天市場でも経費の購入は可能ですが、インボイス対応の有無や領収書の形式が出店店舗ごとにバラバラです。そのため、一件一件確認や修正が必要になるケースが多く、手間がかかるのが実情です。 その点、Amazonビジネスはプラットフォーム側で取引情報や領収書の形式が統一されているため、安定した経理処理が可能です。
理由5:プライム会員なら「実質無料」で始められる!
現在Amazonプライム会員の方であれば、**追加費用なしで「BusinessプライムDuo」というプランを利用できます。**開業届などを提出すれば個人事業主でも簡単に登録でき、Web上で手続きが完結するため、すぐに利用を開始できます。
【重要】Amazonビジネス利用時の唯一の注意点
これだけ便利なAmazonビジネスですが、一つだけ注意点があります。それは、「消費税区分の最終チェックは自分で行う」ということです。
インボイス登録番号が表示されていても、すべての取引が課税仕入れになるわけではありません。
- Amazonギフト券の購入(非課税)
- 送料やギフトラッピング料(取引内容による)
- インボイス未登録の個人出品者からの購入
これらの取引は、会計ソフトに連携された後、手動で正しい消費税区分に修正する必要があります。ソフトが自動で提案する区分を鵜呑みにせず、「何を買ったか」を最終確認する癖をつけましょう。
【画面で比較】freee・マネーフォワードでの連携イメージ
実際にクラウド会計と連携すると、どのように表示されるのでしょうか。freee会計とマネーフォワード クラウドの画面例を見てみましょう。 (赤枠部分がAmazonビジネスから自動取得されたデータです)
各ソフトにおいて、消費税区分や取引先、登録番号がどのように表示されるかが確認できます。
マネーフォワードの場合、インボイス番号が直接確認取れます。
(赤枠部分がAmazonビジネスから取得したデータです。)
※クリックすると拡大表示されます。
freeeでは、適格請求書発行事業者かどうかが判定され、消費税区分も自動で提案されるため、判断がしやすいのが特徴です。(※インボイス番号自体は表示されません)
マネーフォワードでは、証憑ファイル内に記載されたインボイス番号を直接確認することができます。
まとめ:賢い仕入れ先選びで、経理をもっと自由に
「事業用のネット通販はAmazonビジネス」とルールを決めるだけで、経理処理の効率と正確性は劇的に向上します。これは、税務調査に強い体制を作ることにも繋がります。
クラウド会計の真価を最大限に引き出すためにも、まだ導入していない方は、ぜひこの機会にAmazonビジネスの活用をご検討ください。
【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の税務判断を保証するものではありません。制度やソフトの仕様変更がある可能性もあるため、最新情報については必ず顧問税理士にご確認ください。