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【税理士が解説】クラウド会計と相性抜群!ネットバンキング導入のメリット5選と注意点|会計入力編5
クラウド会計の強みを最大限に活かすなら、インターネットバンキング(以下、ネットバンキング)の導入が必須です。
「毎月の通帳記帳に時間がかかっている…」
「振込や残高確認のためだけに銀行に行くのが面倒…」
もし、このようなお悩みをお持ちなら、ネットバンキングが解決してくれます。
当事務所は30代の税理士が代表を務め、若手経営者のお客様も多いのですが、同世代でも意外とネットバンキングを導入されていないケースは少なくありません。
本記事では、クラウド会計ユーザーがネットバンキングを導入すべき理由と、そのメリット・注意点を分かりやすく解説します。(本記事は【会計入力編】シリーズの第5回です)
そもそも、ネットバンキングとは?
ネットバンキングとは、銀行の窓口やATMに行かずに、パソコンやスマホから振込や残高確認などができるサービスです。近年は法人向けサービスも充実しており、クラウド会計ソフトと連携させることで、会計業務を劇的に効率化できます。
ネットバンキング導入の5つのメリット
メリット1:会計入力が自動化され、時間が生まれる
クラウド会計とAPI連携※すれば、銀行の入出金明細が自動で取り込まれます。手入力や通帳を見ながらの作業が不要になり、お客様の事例では、毎月3時間かかっていた入力作業が30分に短縮されました。
メリット2:24時間365日、場所を選ばずに取引可能
銀行の営業時間を気にする必要はもうありません。オフィスはもちろん、自宅や外出先からでも、深夜でも振込や残高確認が可能です。
メリット3:振込手数料が安くなる
窓口やATMに比べて、振込手数料が安価に設定されています。多くの銀行で、他行宛振込の無料回数が設けられており、経費削減に直結します。
メリット4:過去の取引履歴の確認がカンタン
紙の通帳では探すのが大変な過去の取引も、オンラインで簡単に検索・確認できます。資金繰りの管理もスムーズになります。
メリット5:キャッシュレス決済との連携もスムーズ
法人カードや電子マネー、スマホ決済といったキャッシュレス決済との連携も容易で、経費精算全体の効率化に繋がります。
導入前に知っておきたい4つの注意点
注意点1:万全なセキュリティ対策が必須
不正送金を防ぐため、ID・パスワードの管理は厳重に行いましょう。使い回しは避け、スマートフォンアプリなどを使った「二段階認証」の設定は必ず行ってください。
注意点2:システムメンテナンスや障害のリスク
銀行側のシステムメンテナンスや通信障害で、一時的にサービスが利用できなくなる可能性があります。急ぎの振込などは、時間に余裕をもって行いましょう。
注意点3:誤操作による振込ミスの危険性
振込先の口座番号などを間違えても、自分で気づいて修正する必要があります。振込実行前には、必ず確認画面で二重チェックする癖をつけましょう。
注意点4:対面でのサポートが受けられない
基本的に窓口での相談はできません。トラブル時のサポートは電話やメールが中心となるため、その点を理解しておく必要があります。
【重要】事業で利用する際のポイント
電子帳簿保存法への対応
ネットバンキングの取引明細は「電子取引」データに該当するため、電子帳簿保存法に則ったデータ保存が義務付けられています。クラウド会計と連携していれば、多くの場合、システム内にデータが保存されるため要件を満たしやすいですが、別途PDFやCSVでダウンロードした明細も、規程に沿って保存しましょう。
会計ソフトと連携できるプランか確認を
契約プランによっては、会計ソフトとの連携方法が制限される場合があります。
連携方法 | 特徴 |
API連携 | 【推奨】 自動で明細を取得。リアルタイム性が高い。 |
明細ダウンロード(CSV) | 手動で明細ファイルをダウンロード&アップロードする必要がある。 |
<主要銀行のプラン例>
・三菱UFJ銀行: BizSTATION
はAPI連携可能。BizSTATION Light
はAPI連携不可(CSVダウンロードは可)。
・三井住友銀行: Web21
はAPI連携可能。ライトタイプ
はAPI連携不可。
・楽天銀行・GMOあおぞらネット銀行など: ネット銀行は、多くの場合API連携に標準対応しており、手数料も安価な傾向にあります。
まとめ:バックオフィス改革の第一歩を踏み出そう
ネットバンキングは、会計業務の効率化とコスト削減を実現する強力なツールです。セキュリティ対策やプランの事前確認は必要ですが、それを補って余りあるメリットを享受できます。
クラウド会計を導入している、または検討している方は、ぜひネットバンキングの導入も合わせて進め、バックオフィス全体のDX(デジタル変革)を実現しましょう。
※本記事は2025年5月時点の情報に基づいています。ご利用の際は、必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。
※本コラムは2025年5月8日に一部内容を修正・更新しています。