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交通費の精算は、モバイルSuicaがお勧め【会計入力編6】
当事務所最寄りの東岡崎の自動改札は、さまざまな方法により鉄道に乗降者することができます。
公共交通機関の利用履歴は、事業者にとって「経費」として処理する上で、非常に重要な情報です。
利用方法に応じた会計処理の方法として、以下のような選択肢が考えられます。

支払方法 | 会計入力の方法 |
---|---|
現金 | 手入力による記帳 |
ICカード | 取引明細の取り込み、クラウド会計との連携 |
クレジットカード | 明細データとクラウド会計の連携 |
モバイルSuica・モバイルPASMOをおすすめする理由
日々の会計業務を効率化するうえで、交通費の精算は見過ごせないポイントです。 当事務所では、業務用の交通費決済にはモバイルSuicaやモバイルPASMOの活用を強くおすすめしています。
その理由は、明細に含まれる情報の質と量にあります。 モバイル交通系ICを利用すると、「利用駅名」「運送会社名」などの詳細が記録されるため、 会計ソフトと連携した自動仕訳ルールの構築が可能となり、処理の正確性とスピードが大幅に向上します。
一方、クレジットカードでの交通費決済では、「〇〇鉄道」などの運行会社名しか表示されず、 具体的な利用区間や用途が把握しづらくなります。 加えて、クレジットカードが利用できない交通機関も多く、 電車はクレジット、バスは現金、といったように決済手段が分かれてしまうと、かえって入力の手間が増える結果になりがちです。
インボイス制度との関係
2023年に導入されたインボイス制度により、仕入税額控除には原則として「適格請求書(インボイス)」の保存が必要となりましたが、 公共交通機関による3万円未満の旅客運送には特例が設けられています。
具体的には、以下の項目を帳簿に記載すれば、インボイスがなくても控除が認められます。
- 課税仕入れの相手方の氏名または名称(例:JR東海、名古屋鉄道 等)
- 取引年月日
- 取引内容(例:旅客運賃)
- 対価の額
- 「インボイス特例対象」の旨
この点でも、明細が充実しているモバイルSuica・PASMOは、帳簿作成に非常に有効です。
なぜなら、クラウド会計ソフト(たとえばfreeeなど)では自動仕訳ルールを適切に設定することで、交通費の記録をほとんど入力なしで処理することが可能だからです。
明細に駅名や運送会社名が含まれていれば、それらを条件として仕訳ルールを組むことで、 正しい科目・税区分での処理が完了するような仕組みが構築できるのです。
(ダウンロード型の会計ソフトも、モバイルSuicaなどの利用明細をCSV加工し、取り込むことも可能)
まとめ
同じ交通費でも、決済手段によって会計処理の手間や正確性には大きな差が生じます。 モバイルSuica・PASMOのように、詳細な取引データが取得できる仕組みを導入することで、 自動仕訳ルールの活用や帳簿作成の効率化が可能になります。
当事務所では、こうした日常の会計入力を含め、 クラウド会計を活用した業務改善や経理体制の見直しをご提案しています。 「もっと楽に」「もっと正確に」帳簿をつけたい方は、ぜひ一度ご相談ください。